みなさん、お久しぶりです。
Fumiyaです。
今回はガイドリングが割れてしまったので自力で修理に挑戦しました!
自分で手間をかけて道具を長く使うっていいですよね。
頑張ればまだ使える道具は長く使った方が財布にも優しいですし、愛着もわきますよね。
この記事を読むとわかること
- ガイドリング割れのチェック方法
- ガイドの外し方
- ガイドのつけ方
ガイド交換に挑戦!
新品のラインなのに少し使ったらノイズが入る
キャストでたらしになる部分(ルアーから30〜40cm)のラインだけ傷が入っている
こんなことがありました。
最初は「このラインの耐久性ダメだな…」
「クランク巻くときにモノに当てすぎてる?」
と思っていましたが、ダメなのはガイドでした。
用意するモノ
- カッターナイフ(細めがやりやすい)
- ターボではない普通のライター
- エポキシ接着剤
- ロッドビルディング用のスレッド
- 新品のガイド
- マスキングテープ(あると便利)
- 段ボール箱
ガイド割れのチェック方法
まずはガイド割れのチェック方法についてご紹介。
結論、カッターナイフでこするだけ!
写真のようにガイドに当てて優しくくるくる動かします。

ガイドリングに割れやヒビがあるとそこだけ引っかかります。
不自然に引っかかるガイドが3つありました。
つまり3つもガイドリングに割れやヒビが入っていました。
そりゃ新品のラインでも傷つくよね…
ガイドリングにカッターを当てても大丈夫なの?
大丈夫です!
軽くこするくらいでは傷は入らないので安心してください。
物体の傷つきやすさを示す硬度というものがあり、カッターに使われている素材よりもSiCやトルザイトの方が硬いのです。
細いカッターを使うと楽です。
ガイドの外し方
ガイドリングのみを外して交換する方法もありますが、今回はガイド丸ごと交換します。
カッターで既存のスレッドに切り込みを入れて剥がしていきます。

樹脂が硬くて刃が入らない場合はライターで熱を加えて柔らかくします。
切り込みを入れたらスレッドを手で引っ張って回しながら外していきます。
トップガイドはパイプの中も接着剤が入っていてスレッドをはがすだけでは外れません。
ガイドをライターで熱し、ペンチなどでまっすぐ引き抜きます。

ライターで熱するときは超注意!
カーボンロッドは熱に弱いです。
熱しすぎるとすぐに折れてしまいます。
ライターは常に動かして火が1点に集中しないようにしましょう。
スレッドがなくなればガイドは手で簡単に取れるので外します。

あとはカッターで残った樹脂を丁寧に取り除きます。
力を入れすぎるとブランクスを傷つけてしまうので優しくやりましょう。


ガイドの取り付け
ガイドが外れたので取り付け作業に移ります。
ガイドの選び方
基本は元のガイドと同じモノを探して買います。
1番確実なのは外したガイドを持ってお店に行き、同じサイズを買うことです。
トップガイドはリングのサイズに加えてパイプの直径も選ぶ必要があります。
0.2mm間隔で販売されているので精密なノギスがないと計れません。
プロ(釣具屋さん)に聞くのが一番です。
実際、自分で測って2.0mmのモノを選んだのですが、念の為と思って見てもらったら1.6mmでした…危なかった…
故障や破損はグレードアップのチャンス!
同じガイドを付け替えるのが基本ですが、グレードアップするチャンスでもあります。
SiCガイドをトルザイトにしてみたり、ステンレスフレームをチタンフレームにしてみたり、太糸の抜けが良くなるようにガイドリングのサイズを大きくしてみたり。
ガイド1個がステンレス→チタンになってもなかなか実感しづらいですが、リールカスタムのようにロッドも自分でグレードアップ、カスタムできると魚を釣る以外にも楽しみができてオススメです。
関東に住んでいる方なら埼玉県にあるうらしま堂渡辺釣具店がオススメ。
ガイドでトップシェアを誇る富士工業公認のビルダーさんがいて、ガイドも豊富に在庫しています。
ガイドは店頭の在庫はほとんどなく、取扱店であっても取り寄せ対応の場合が多いです。
気になる方は近くの釣具屋さんで聞いてみましょう。
今回買ったガイドはこちら。
トップだけSiCリングからトルザイトのフランジタイプにグレードアップしてみます。
ガイドの取り付け
ガイドが手に入ったらいよいよ取り付け作業です。
作業の流れ
- 位置を決める
- スレッドを巻いてガイドを固定する
- ガイドがまっすぐについているかチェック
- エポキシ樹脂でコーティングする
1.ガイドの位置決め
今回はついていたガイドと同じ位置にすればよいので難しくはないです。
ガイドを外した跡の位置に取り付けます。
2.ガイドの固定(スレッド巻き)
ガイドの位置が決まったらスレッドを巻いていきます。
写真のように段ボール箱の両端を切り取り、ロッドを置きます。

Fujiからこんなアイテムも出ていますが、さすがにここまでは必要ないので段ボール箱で我慢します。
あったらかっこいいし、楽でしょうけどね!笑
ガイドの脚の先端をやすりで削っておくとスレッドが巻きやすいです。

そのままだとロッド表面とガイドの段差が大きいのでスレッドを巻くときにうまくのってくれないことも。
ひと手間加えると作業がスムーズになります。
次にガイドを決めた場所に固定します。
細いマスキングテープがあると便利です。
マスキングテープが手元になかったのでテープのりを丸めてくっつけてます。
接着剤でがっちり固定してしまうとズレていたときに調整が出来なくなるので注意。
(まっすぐにするのは後で調整するので落ちなければ何でもいいと思います。)

スレッドの端よりコーティング剤を少しはみ出して塗るので元ガイドの跡から1mm弱くらいあけて巻き始めます。
スレッドはGUDEBRODのAサイズ、ブラックメタリックを選択しました。
今回選んだスレッドはGUDEBROD(グデブロッド)のHTですかね?
スレッドはAとDという表記で太さを表していて、Aが標準の細いタイプ、Dが太いタイプらしいです。
Aの方がきれいに仕上がるという情報を得たのでAの太さで探しました。
詳細は全く分かりませんが、ロッドビルディング用のスレッドコーナーからブラックメタリックカラーというだけで選びました。笑


文字で書くと分かりずらいですが、巻き始めにスレッドの余りを押さえつけるように重ねて巻いていきます。
手で押さえなくても外れないくらい(5~10回)巻きつけたらはみ出ているスレッドを切ります。

かなりはみ出していますが、ギリギリで切った方が仕上がりはきれいになります。
ここからはガイドの方までロッドを回しながらスレッドを巻き付けていきます。
スレッド同士が重ならないように丁寧に巻いていきましょう。
ここの丁寧さがきれいな仕上がりになるかの別れ道。
接着剤で硬化していくわけではないので落ち着いてゆっくり作業しましょう。
巻き終わりの位置から1~2mmくらいの位置で抜き輪を入れます。

この抜き輪とは特別な道具ではなく、最後のスレッドを抜き去るためのただの輪っかです。
スレッドを余分に切って作ってもいいし、使い古したPEでもいいです。
3か所の交換でスレッド、PEライン、ナイロンラインでやりましたが、ナイロンがやりやすかったです。
とにかく細い糸で輪っかであれば何でもいいです。
このあたりからスレッドがすき間なく巻かれているかチェックします。
ハケの柄の部分や硬くて丸い形状のものを使い、巻かれたスレッドをこすります。
すき間があればよせてきれいにしましょう。
きれいに仕上がるかどうかのポイントなのでとにかく使えるようになればOKという方はざっくりで大丈夫です。

見づらいですが、抜き輪をはさんで巻いていき、最後にスレッドを輪っかに通します。
そしてスレッドを切り、抜き輪を引っ張ると切れ端をきれいに処理することが出来ます。

少しスレッドがはみでているのでハサミなどできれいに処理します。
きれいに処理しないとコーティングのときにでこぼこになります。
作業してて思ったのは明確にキラキラさせたいという目的がないならメタリックカラーじゃない方がやりやすいです。
メタリックにするための繊維がひっかかり、抜きづらい感じがしました。
なんなら今回のブラックメタリックはほとんどメタリック感がない仕上がりでした。涙
3.ガイドがまっすぐついているかチェック
ガイドはスレッドで巻かれているだけの状態なのでグリグリやれば動きます。
激しく動かすとスレッドから抜けてしまったり、スレッドが緩んでしまうので優しく動かしましょう。
この状態でグリップの方からのぞいてすべてのガイドがまっすぐついているかチェックします。
チェック方法はもう感覚でしかないです。
自分の感覚を信じてガイドを動かしていきましょう。
コツはロッドを白い壁に向けてのぞいて余計なものが視界に入らないようにすること。
場所やロッドを向ける方向を変えて、異なる照明の角度で何度もチェックしましょう。
4.エポキシ樹脂でコーティング
いよいよ最難関のコーティング作業。
コーティング剤がかたまっていくので時間との勝負。
しかし、でこぼこしたくないから丁寧な作業も必要。
丁寧かつ迅速な作業が必要になります。

エポキシの混ぜ合わせやコーティング作業はFujiのこちらを使用しています。
エポキシ樹脂はFuji EPOを購入。
一般的な2液性エポキシは0.01g単位で厳密に比率を1:1に合わせないと硬化不良を起こしてしまいますが、このFuji EPOはざっくりの比率でもしっかり固まるようです。
1.5:1でも2:1(推奨)でも2.5:1でも固まるのは素人にはありがたい。
何滴たらしたかというざっくり計算で調合します。
今回はFuji Epoの説明にもある2層仕上げでやってみます。
低粘度で曲がりに追従し、クラックが入りにくい1層目と高粘度で傷に強い2層目の2層構造です。


混ぜたエポキシをハケですくい、いよいよコーティング作業開始です。
固まるまではドロドロの液体なので手でロッドを回しながらエポキシを乗せていきます。
混ぜ合わせたときにどうしても気泡が入ってしまうのでライターであぶって気泡を取り除きます。
ここでも火は動かしながら当てましょう。
アルコールランプだとススが出ないので最適ですが、用意するのも大変なのでライターでがんばります。
ススがつくとこんな感じになります。

1層目が完了しました。


でこぼこしていますが、重ねてエポキシをのせるので気にしません。
次の作業もかなり重要!!
エポキシが硬化するまでロッドをまわし続けます!!笑
まわさないとエポキシが重力で垂れた状態で固まってしまいます。
使用するエポキシや混ぜ合わせた粘度によって変わりますが、最低でも3時間くらいは回しましょう。
固まったかどうかのチェックは混ぜた容器に残っているエポキシで確認しましょう。
ガイドに触ってしまうと形がくずれてしまいます。
指で触ってもベタベタしない状態になれば10分に一回くらいくるくる回すだけで大丈夫です。
触って硬くなったと感じるくらいになればほとんど動かさなくてもOK。
完全硬化するまで待機。待機といっても約24時間かかるので寝るなり出かけるなりしてください。笑
・・・
比率を変えて2層目スタート。
2層目は外側になるので仕上がりも気にしながら丁寧に作業します。
エポキシを乗せすぎるとその分ロッドが重くなるので最小限でできるのが理想。
仕上がったガイドがこちら。


初めて&素人作業にしてはきれいにできたんじゃないでしょうか?
付け替えてからしばらく使っていますが、全く問題は起きてません。
まとめ
長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございます!
ロッドの修理やロッドビルディングは知らないことが多いのでなかなか手が出しづらいです。
個人的にはやってみたら意外と難しくないと感じましたし、今後はブランクスが折れない限りは自分で修理できるという自信もつきました。
今回使用した道具たちをまとめて紹介しておきます。
ラインの不調(特定の場所だけ傷が入る、キャスト切れ、アワセ切れなど)が起きたらガイドの割れチェックから試してみてはいかがでしょうか?
ではまた!!