釣り人は必ず読みましょう。家族や友人に読んでもらえるように紙の本で買うのもオススメです。笑
釣り人が釣りに行くときに家族を説得する言葉の辞典、釣らぬ人が釣り人の頭の中を理解する取扱説明書のような本です。
僕はこの本を読んで「釣りじゃなくてもいいけど、消費の対象をモノからコト(体験)に変えれば、自分の感性も変化するし、必要なことが見えてくるんじゃないかな」と思いました。
釣りを主題として取り上げてはいますが、ライフワークの見つけ方の参考にもなります。
現状を変えたい、何か新しいことをはじめたい。
でも何からやればいいんだろう。そんな悩みを持った方にぜひ読んでいただきたいです。
釣りはこれからの時代を生き抜く為のライフワークである。
本のサブタイトルにある通り、「釣りは人生100年時代に必要なライフワークである。」がこの本のテーマです。
合理性、利便性を求めてどんどん便利になり、色々なことが加速していく現代で釣りは狩りの面でも趣味の面でも非合理的だし、面倒な部分が多いです。
だからこそ釣りは現代人が失いつつある、自然の豊かさを感じる力や社会の音に惑わされずに自分の声を聴く力を取り戻す事が出来ると語られています。
釣りは「不確実性」を楽しむこと
釣れるか分からない、何が釣れるか分からない。
だから面白い。
たしかにその通りです。
僕は釣りをしていない人からよく言われます。
「何回も行っていつも釣れていないのに何が楽しいの?」
僕はいつもこう返しています。
「釣れるとわかっている釣りは面白くない。」
釣れるか分からない、何ならバス釣りでは釣れることの方が少ない。だから釣れた時の喜びは格別です。
釣れない日や釣る為の工夫や苦労が面白さを引き立てます。
釣れた時はその準備、工夫、苦労、積み重ねがすべて物語になると書かれています。
そして、その物語は非常に長い。だから釣り人の話は長い。
ここはとても共感しました。笑
先行き不安なこの時代。
「どうなるか分からないから不安」ではなく、「分からないから面白い、試行錯誤のやりがいがある」と考えられる力を釣り人は持っています。
面倒くさいところが良い
釣りは正直面倒です。
道具もたくさん準備するし、朝は早いし、釣った魚を食べるにしてもさばくのにかなりの時間を必要とします。
釣り人からするとその面倒くささは釣れた喜びを表現するためのスパイスになります。
便利になっていく世界でその面倒くささを楽しむ力が問われていると本書で語られています。
釣り人は面倒くささ、不便さを楽しむその感覚がすでに備わっています。それも人並以上です。
キャンプを例にすると分かりやすいです。
キャンプ道具もいろんな便利グッズが開発されていて、コンロを持っていけば炭で火起こしする必要がなくなります。
ふかふかのマットレスを持っていけば快適に寝る事が出来ます。
しかし、キャンプの楽しみはそこではないはずです。
面倒な火起こし、多少寝心地の悪いマット、それらはキャンプを楽しむスパイスです。
利便性と面倒くささのいい塩梅を取ることが楽しむ為の重要なポイントです。
LEDのライトを使うのか、ホワイトガソリンのランタンを使うのか。
暖房器具を取り入れるのか、焚火一つで暖を取るのか。
その選択は人それぞれですが、すべてにおいて利便性を求めてしまうとキャンプの楽しみは消えます。
考えてみてください。
自宅となんら変わらない火加減で料理が出来て、座り心地のいい椅子で食事をし、暖かいテントの中で極上の寝心地のマットで寝る。
……外でそれやる意味ある??
多少のめんどくささがあるから非日常を味わう事が出来て、そこに惹かれる人がいる。
釣りも同じです。
わざわざ面倒な事をやる。
それをやること自体も楽しいし、釣れた時のスパイスになる。
朝早く起きて、時間をかけて準備してよかった!となるわけです。
ワイフワークとは何か
本書ではライフワークを次のように定義しています。
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